刃型の話

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iPhoneケースに限らず革製品を製作する場合、大きな一枚の革を切って製品用のパーツにしなければなりません。

その時に必要なものが「刃型」と言われる道具です。(「抜き型」とも言われます。)

一般的にあまり目に触れるものではありませんが、皮革業界ではお馴染みの道具です。

これを使い、1枚の革から製品のパーツとなる物を裁断していきます。

もちろん一度作ってしまえば何個作っても寸分違わずパーツを裁断してくれます。

iPhoneケースのような小さな革小物は1mm、いや0.5mm違うだけで使い勝手が変わるため、この刃型作りはアンダークールドのプレミアムiPhoneケースの根っこの部分としてとても大事にしています。

刃型の話をしてると、まだ販売前の昨年の頃を思い出してしまうのですが、アンダークールドを立ち上げる前にずいぶん刃型を無駄にしてしまったんですね。

私自身、物作りの経験が無かったため、刃型制作の時にミスをしたり、手順を間違えたりして結果的に使えない刃型をいくつか作ってしまったのです。

それは数ミリ小さい、大きいというレベルですが、小物はその数ミリの違いで製品の印象がガラッと変わってしまうためどうしてもこだわってしまいます。そして、使えなくなった刃型はというと、使えなくなり破棄するしかないのです。(もったいないですね。)

さらに1年前のその頃は資金がありませんでした。(今も大して変わりませんが)

そのため製造費用は借金だったので、刃型の作り直しの為に、当初の予定以上に刃型に資金を使ってしまいヒーヒー言っていました。

それでも刃型は製造の根っこの部分なので妥協するわけにはいきません。

妥協した瞬間に全ての商品に影響が出てしまいますし、そもそも「最高」を目指して作り始めた製品なので妥協した瞬間にブランドの存在意義すらなくなってしまいます。

そんなわけで、何度も何度も作り直した刃型です。でもまだまだ改善できると思います。実際に量産してみると職人が作りやすいように刃型のここに印を入れてみようとか、ここを後1mm広くしようとか色々改善点が見つかるものです。

お客様の目に触れることのない刃型ですが個人的には想いが詰まった道具なのです。

もし火事になったとしてもこれだけは持って逃げないといけませんね。